家族信託と任意後見

 家族信託と任意後見

 

実際のケースは、皆さんのかかえておられる状況によって異なりますがとなりますが、たとえば、相続と認知症対策について安心の対策をたてておくためには、家族信託と任意後見を併用かすることは大きなメリットがあります。

それに加え完璧を期したい場合は、遺言書を作成しておくことです。柔軟に調整対応できる制度が構築されていますので、お気軽にご相談ください。

(参考)お問合せの多い法定後見人選任に係る費用(成年後見・補佐・補助)は、裁判所の公式ホームページをご参照ください。

 出典:裁判所公式ホームページ https://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/kokensite/hiyou/index.html

 

(参考)任意後見監督人の申し立て

出典:裁判所公式ホームページ https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_04/index.html
 

 

 

信託契約書(シンプルな場合)

第1条 信託目的 たとえば「本契約の信託目的は次のとおりである。委託者の主な財産を受託者が管理または処分等することにより、委託者の財産管理の負担を軽減し、委託者の家族が豊かで安心で快適な生活を送れるようにすること。確実に財産を承継すること。]

親が高齢で一人住まいである場合などは、「委託者が詐欺等の被害にあうことを予防し、委託者が安全で快適な生活を送れるようにすること」などの項目を入れておくとよいでしょう。

第2条 信託契約 

第3条 信託財産 委託者はいつ何を受託者に信託し、受託者は引き受けたことを記載します。ここで注意したいのは、信託法とその他法令をよく理解し、信託財産とすることができる財産を正確に記載することです。たとえば、農地は、信託財産とすることはできません(農地法第3条2項3号)。また、年金受給権や預金債権自体を信託財産とすることもできません。預金を信託財産とする場合は、委託者名義の預金をいったん払戻し、委託者が金銭を受託者の引き渡し、受託者が受託者名義の「信託口座」に預け入れることが必要になります。

将来の「預金凍結」に備えた金銭の管理は、ご高齢の親御さんの生活費や入院費管理のため家族が困らないようにするためには現金の信託と信託専用口座が大事になってきます。詳しくは、当事務所までお問い合わせください。

第4条 信託財産 信託財産目録記載の信託不動産の所有権は、本信託開始日に受託者に移転する。その他、信託を登記原因とする所有権移転登記、登記費用の信託財産からの支出などを記載します。

第5条 信託不動産の瑕疵に係る責任、第6条 信託の追加 たとえば、信託に追加する財産があるときは、「委託者は受託者の同意を得て、金銭を本信託に追加することができる」という条項を入れます。

第7条 委託者 第8条 受託者 氏名、生年月日および住所などで特定します。

第9条 受託者の信託事務 第10条 信託事務処理の第三者への委託 第11条 善管注意義務 「受託者は、信託財産の管理、処分その他の信託事務について善良な管理者の注意をもって処理しなければならない。」と記載します。

第12条 分別管理義務 民事信託では金銭・預金債権について計算を明確にするだけでは受託者による信託財産の適正な管理とは言えず、金銭については、外形上区別できる状態で保管し、預金については、信託専用口座を開設することが望まれます。契約書にもそのことを記載していきます。

第13条 帳簿等の作成・報告・保存義務

第14条 信託費用の償還 たとえば「受託者は信託財産から信託事務に係る費用の償還を受けることができる」「受託者は受益者から信託事務処理に係る費用の償還または前払いを受けることができる」と記載します。

第15条 信託報酬 受託者が親族の場合は無報酬とすることが多いですが、相当の信託報酬を定めることもできます。

第16条 受益者 本信託の受益者は、委託者である。受益者は、受託者から信託財産に係る給付を受ける権利を有する方です。ここで、信託のメリットが現れます。つまり、信託契約の定め方によって、本人の死亡時だけでなく、本人の生前や死後の承継方法も定めていくことができます。たとえば、「当初の受益者が死亡したときは、次の者を第二次受益者に指定する。

第二次受益者 A 第二次受益者 B 第二次受益者AまたはBが死亡したときは、次のものを第三次受益者に指定する。 C 」

第17条 受益権 内容はいろいろです。信託不動産を生活の本拠としてしようする権利や預金から給付を受ける権利など、多様な内容が可能です。

第18条 受益権の譲渡・質入れの禁止

第19条 信託監督人 受益者となる方がご高齢など、受益者ご本人が受託者を監督することが期待できない場合に、受託者の事務処理を監督するため受益者が有する権利を行使していきます。 第20条 信託監督人の辞任 第21条 信託監督人の報酬 第22条 信託の変更など

第23条 信託の終了 たとえば信託の終了事由に「当初委託者が死亡した日の翌日が到来したとき」という項目を入れるだけで多くのリスクを避けることができます(「短期受益者連続型信託」、詳しくは当事務所までお問合せください。)。 第24条 帰属権利者 たとえば「受益者の法定相続人を本信託の帰属権利者として指定する」などと記載します(遺産分割を行うことを前提にした場合)。

 なお、最高裁平成4年9月22日判決(金融法務事情第1358号55頁)は、死後事務委任契約での受任者の立場について、「自己の死後の事務を含めた法律行為等の委任契約…は、当然に委任者の死亡によっても右契約を終了させない旨の合意を包含する趣旨のものというべく、民法第653条の法意がかかる合意の効力を否定するものでないことは疑いを容れないところである。」としています。

民法は委任者の死亡により委任は終了する、としていますが、「委任者の死亡でも委任契約でも終了しない」との特約は許容されています。

家族信託の魅力は何といってもご相談者のみなさまのご希望に合わせて手作りでご家庭・ご家族のみなさまの状況に合わせた契約書を作成することができる点にあります。

お気軽にご相談ください。