2019年4月9日 御礼、感謝
新型インフルエンザ対応の特別措置法(平成24年法第31号)に基づく緊急事態宣言が出されましたが、影響はいたるところにでています。そんな中、茶道裏千家 一般社団法人茶道裏千家淡交会総本部で親しくしていただき尊敬し、国際的にも活躍されている方からお電話をいただき、また、いろいろなことどもをご指導賜り、誠にありがとうございました。衷心から感謝申し上げます。この感染症がいつ収束するかわかりませんが、無事にこの非常事態を乗り切り、再会できますことを心から祈念しております。さらに、医療現場の皆さん、保育園や介護の施設等で多くの方の命を預かる皆さん、本当にありがとうございます。想像を絶する過酷な現場の状況と聞き及んでいます。ご自愛ご専一のほど、祈念しております。このような環境の変化の中で、わたくしたちは、一人ひとりができることを深く自覚し、責任のある行動をしていきたいと思っております。
みんなが睦まじくいるためには
2019年4月10日 コロナ離婚
新型コロナウィルス対応の緊急事態宣言の前後から離婚を考えているご夫婦が増加しています。ほどよい距離感はなくなり、外出もせず、一日中、同じ家にいることからくるストレスが背景にあるようです。
コロナ離婚やDVは、日本だけでなく、アメリカ、フランスやインドでも増加傾向にあるようですが、このような時だからこそ、穏やかに日常生活を送りたいものです。「日々是好日」。精神の貴族性や心の位取りの高さを保つためには、また、二人が睦まじくいるためには、どうすればいいのでしょうか。吉野弘さんの詩を紹介させていただきます。
「二人が睦まじくいるためには 愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは 長持ちしないことだと気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい 完璧なんて不自然なことだと うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても 非難できる資格が自分にあったかどうかあとで
疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは 少しひかえめにするほうがいい
相手を傷つけやすいものだと 気付いているほうがいい
立派でありたいとか 正しくありたいとかいう 無理な緊張には 色目を使わず
ゆったり ゆたかに 光を浴びているほうがいい
健康で 風に吹かれながら 生きていることのなつかしさに ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして なぜ胸が熱くなるのか 黙っていても
二人にはわかるものであってほしい」
(祝婚歌より)
法人格否認の法理について
2020年4月14日 法人格否認の法理
最近、一般社団法人を設立される方が以前ほどではないにせよ増えています。最もシンプルな一般社団法人(非営利型法人を除く。)は、社員2人以上がいれば理事は1人でもよく、資本金の振込も不要なため金銭の拠出もいらず、誰でも登記だけで設立できるという気軽さがあります(準則主義)。そこで、本当に起業をして社会に貢献したいという社会貢献派の若者がいる反面、今まで築き上げてきた資産を子供にそっくり継がせるため一般社団法人を設立し、子どもを理事に就任させて相続税を免れるなどの課税逃れに使われることもあります。
このような一般社団法人を隠れ蓑にし相続税の負担を回避するスキームに国税庁はメスを入れました。国税庁は、平成30年度税制改正に続き、令和元年9月10日「特定の一般社団法人等に対する課税のあらまし」(相続税)を公表しています。くわしくは国税庁のホームページをご覧ください。
それだけではなく、一般的な取引行為についいても法人成りした一般社団法人の運営には思わぬ落とし穴が潜んでいることも事実です。それが「法人格否認の法理」です。
会社法の分野ですが、アメリカの会社法上の法理に「法人格否認の法理」があります(Disregard of the Corporate Personality、Piercing the Coporate Veil)。これは、せっかく法人格を取得しても、その法人格を否認し、法人の背後にいる個人に責任を追及していく法理論です。すなわち、法人格が濫用されたり、形骸化している場合、特定の法律関係においてその法人のヴェールをはぎとり、その背後の個人を把握して、その責任を追及するものです。最高裁判所その他の判例がこれを認めています(最判昭和44年2月27日ほか多数)。
なお、国税庁は「滞納処分における法人格否認の法理の適用について」(西川勝利広島県国税局徴収部)は、「法人格否認の法理を税の徴収の分野において適用することにより、今まで徴収が困難とされていた事案の解決を図り、租税の公平の確保を期する」と強調されています。
なお、上記最高裁判所の要旨は次のとおりです。
「法人格は、法が社会的に存在する団体の価値を評価して、これを取引主体として表現せしめるに値すると認めたために付与する立法技術的なものである。従って、法人格が全くの形骸に過ぎない場合や、それが法律の適用を回避するために濫用されている場合にまで法人格を認めることは、法人格なるものの本来の目的からみて許すべからざるものであり、法人格を否認することが要請される。」
衝撃 一般社団法人と「特別の利益の供与」認定による追徴課税20数億円と普通法人への転落
また、非営利型一般社団法人(一般財団法人)であるための要件の一つとして「特定の個人または団体に特別の利益を与えることを決定し、または与えたことがないこと」がありますが、近時(2018年6月)、陸上自衛隊富士演習場(静岡県御殿場など)に土地を貸している10団体が、名古屋国税局の税務調査を受け、防衛省からの賃貸借収入について100億円超の法人所得の申告漏れを指摘され、追徴課税額は20数億円に上りました。国税当局は「近所の高齢者への敬老祝い金」や「会員への記念品代」、また「実際には業務に従事していない会員に給与を支払っていたこと」などを指摘し、これらの支出を「特定の個人への利益供与」と認定しました。非営利型一般社団法人(財団も)は、税務調査により一般法人法上の要件を満たさないとして普通法人に転落した場合、全所得課税となり、収益事業かどうかを問わず事業から生じた黒字分すべてに課税され、二度と非営利型法人に戻ることはできません。主務官庁、監督官庁の監督がなくなっても国税庁の監視監督は永久につづきます。内閣府公益認定等委員会の調査は穏やかでいくつものプロセスを経て処分が決まりますが、国税庁の調査処分は突然やってきて待ったなしです。
非営利型一般社団法人や財団法人を運営されている皆さんも法人のマネジメントについては細心の注意をはらっていっていただきたいと思います。ことに「法人が特定の個人に対し過大な給与等を支給していること。」(法人税法施行令3条1項3号、法人税法基本通達1-1-8)には注意が必要です。「特別の利益の供与」は、民法法人・特例民法法人から移行した一般社団法人や財団法人にとって最も警戒すべき事項です。公益目的支出計画が完了して、内閣府公益認定等委員会の監督が終了したから何でもできる、と思われているトップの方も多いですが、決してそうではありません。上記のとおり国税の監視は今も続いています。
夕景を過ぎた頃、美しいフラワームーンの写真を送っていただきました。綺麗でしたね。
満月といえば、京都市立堀川高校の村上正先生に連れて行っていただいた唐招提寺の満月が貴重な思い出です。
鑑真和尚に寄せた松尾芭蕉の「若葉して 御目のしずく ぬぐはばや」の句碑や、エンタシス様式の柱に映りだされた月光など、この世のものとは思えないほど幻想的な光景です。
会津八一も「おほてらの まろき はしらの つきうけを つちにふみつつ ものをこそ おもへ」と詠んでいます。安藤更生氏は「唐招提寺の金堂(奈良時代)には、ギリシャの神殿をしのばせるような、八本の円柱が立っていて、月のいい晩には黒々と列柱のかげを檀の上に落として、すこぶる印象的である。若い頃からギリシャの美術に憧れ、推古・天平の文化に熱中した会津八一が、この金堂の月夜に無限の感情を籠めて詠じた絶唱で、この歌ほど、この堂の情景を歌ひ得たものはない。」と述べておられます。
唐招提寺では、献茶式も行われています。私は家族でよくスケッチに行きましたが、静寂の中にいると心が洗われます。
6月15日 会長の予知能力
昨日、大阪の会社の会長と家族みんなで楽しく昼食をともにさせていただきました。会長は信仰心の篤い方で、伊勢神宮、熊野大社、丹後一宮 元伊勢籠神社(日本三景 天橋立)、永平寺、淡路島八淨寺、伏見稲荷大社、清荒神、銭司聖天といった神社仏閣にご一緒させていただきました。また、会長には、家族全員そろって、世界遺産 白川郷、馬籠、妻籠、長浜、彦根城、近江八幡水郷巡りや信楽などにご一緒させていただき、大変多くのことを学ばせていただき、心から感謝申し上げます。
昨日の食事会のとき、昨年(2019年)10月ごろに、経営者会議で「来年は大変なことになります」と警鐘を鳴らしておられたことを初めてお聞きしました。ほかの経営者の方々は「そんなことは、ないでしょう。」と何の備えもされていなかったようです。
その後、皆さまご承知のとおり、新型コロナウィルス感染症が世界的規模で拡大し、多数の尊い生命が失われるとともに、経済的にも企業の倒産などの深刻な状況にいたっています。
このような事態の展開を予知され、会長は会社経営に必要な資金や設備にいたるまで、昨年度中にすでに準備を完了されていたことをお聞きし、驚きました。
信仰心の篤い会社経営者は「先が見通せる」と言われますが、そのことを痛感して改めて、会長の偉大さと信仰心をもつことの大切さに気付きました。また、会長は「家族」も「会社」を大切にされており、今回の件で、環境がどのように変化しようとも従業員の雇用を守り抜かれてる姿勢は本当に立派だと思います。
「世の中で一番楽しく立派な事は一生涯を貫く仕事を持つことです。」 福沢諭吉