2020年4月 相続に関するルールの変更

 

相続に関するルールが変更されました。

大きくわけて民法(相続法の改正)と遺言書保管法の二つの制度です。法務省の資料をもとに情報提供させていただきます。

1.配偶者居住権の新設(2020年4月1日施行)

「配偶者が相続開始時に被相続人所有の建物に居住していた場合に、配偶者は、遺産分割において配偶者居住権を取得することにより、終身または一定期間、その建物に無償で居住することができるようになります。被相続人が遺贈等によって配偶者居住権を取得させることもできます。いままでは、配偶者が居住建物を取得する場合には、他の財産を受け取れなくなってしますケースもありましたが、2020年4月1日からは、配偶者は自宅での居住しながら他の財産も取得できるようになります。配偶者の住まいもしっかりと守られるようになりました。

なお、配偶者短期居住権と配偶者長期居住権についての詳細は当事務所までご相談ください。

2.預貯金の払戻し制度の創設(2019年7月1日施行)

預貯金が遺産分割の対象となる場合に、各相続人は、遺産分割が終わる前でも、一定の範囲で預貯金の払戻しを受けることができるようになりました。従来は、葬儀費用の支払や相続債務の弁済などの必要がある場合にも、遺産分割が終了するまでは、被相続人の預金の払戻しができない不便がありました。しかし、今回の改正により、「遺産分割における公平性を図りつつ、相続人の資金需要に対応できるよう預貯金の払戻し制度が設けられました。

すなわち、預貯金債権の一定割合(金額における上限あり)については、家庭裁判所の判断を経なくても金融機関の窓口における支払いを受けられるようになり、たとえば、

預金600万円の場合、被相続人に長男と次男がいた場合、長男は100万円の払い戻しを受けることができます(計算式:相続開始時に預貯金債権の額(口座基準)×1/3×(払戻しを行う共同相続人の法定相続分)となります。ただし、一つの金融機関から払戻しが受けられる上限は150万円までとなります。その他、預貯金債権に限り、仮払いの必要性があると認められる場合、家庭裁判所の仮分割の仮処分の要件が緩和されました。

ただ、ご親族が永眠されてから、葬儀までの期間は短く、葬儀社やお坊さんとの打ち合わせなど、この短い期間に相続預金の払戻し制度の準備をするのは困難です。ご親族の逝去で銀行口座が凍結されても、「払戻し制度」で預金をおろせるなどと頼ることなく、前もって必要な資金は引き出して管理しておくことが大事だと考えます。

この制度を利用する場合の申請先

(1)金融機関 上記の計算式になります。ひとつの金融機関で引き出せるのは150万円が上限です。

(2)家庭裁判所 上限額はありません。相続人全員での手続きが必要です。

お気軽にご相談ください。また、相続手続きの際、戸籍謄本の添付に関する相続人の負担を軽減する「法定相続情報証明制度」を有効活用しましょう。一度戸籍書類などを持って登記所に行くだけで、それ以降は膨大な戸籍を持ち歩く必要がなくなる、便利な制度です。

 

3.自筆証書遺言の方式緩和

2019年1月13日から自筆証書遺言についても、「財産目録」については手書きで作成する必要がなくなりました。従来は、自筆証書遺言を作成する場合、全文を自署する必要がありましたが、改正により自筆によらない財産目録を添付することができるようになりました。たとえば、パソコンで財産目録を作成して署名押印すればできあがりです。また、預貯金通帳もコピーして署名押印すれば完了です。さらに、各財産の詳細を記載する代わりに、預金通帳など、証明書のコピーでも認められることになり、遺言書作成の高いハードルは下がりました。

4.法務局における自筆証書遺言の保管制度の創設について

2020年7月10日施行 今回の改正で、自筆証書遺言を作成した方は、法務大臣の指定する法務局に遺言書の保管を申請することができるようになります。これによって、「遺言書保管所」に保管されている遺言書については、「家庭裁判所の検認」が不要になります。遺言は、自分が死亡したとき、財産分配をどのようにするかについて、自分の最終意思を明らかにするものです。遺言書がある場合には、原則として、遺言書の意思に従った遺産の分配がなされます。これにより相続をめぐる紛争を事前に防止することができるというメリットもあります。諸外国に比較して日本は遺言書の作成がまだま低いのが現状ですが、今後、日本において「遺言」がはたす役割は重要になってきます。

5.遺留分制度の見直し(2019年7月1日施行)

(1)遺留分を侵害された方は「遺贈」や「贈与」を受けた者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の請求をすることができるようになりました。(2)「遺贈」や「贈与」を受けた方が金銭をすぐに準備することができないときは、裁判所に対し、支払期限の猶予を求めることができます。

6.特別の寄与の制度の創設(2019年7月1日施行)

相続人以外の被相続人の親族が無償で被相続人の療養看護を行った場合は、相続人に対して金銭の請求をすることができるようになりました。介護等の貢献に報い、実質的公平をはかるのが立法趣旨です。 

7.遺言書の作成にあたっての事前相談から、遺言書の作成、遺言書の執行にいたるまで、当事務所が責任をもってお引き受けいたします。当事務所が遺言執行人となることにより、遺言書通りの遺産分配などを確実に実現します。

事前相談 → 遺言書の作成 → 自筆証書遺言 → 遺言執行

                公正証書遺言 → 公証人役場にて作成 → 遺言執行

出典:法務省公式ホームページ http://www.moj.go.jp/content/001285382.pdf

 

事務所へのお越しになることができないなどのご事情がおありの場合は、介護施設や病院への出張相談もお受けしております。ご予約の時点で、その旨をご遠慮なくお伝えください。

 なお、財産を相続したときの相続税の計算は国税庁の公式ホームページをご確認ください。

出典:国税庁公式ホームページhttps://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_4.htm#hyoka

 

特 徴

特徴 相続全般

家族信託

遺言書とは違う違う制度に家族信託があります。資産を円満に管理・承継するために設けられたのが「家族信託」です。親が元気なうちに子どもにも財産の管理を任せることができるようになりました。これによって、親が認知症になっても「財産の凍結」を防ぐことができます。これによって、子どもが親のために財産を有効活用し、さらに、相続までスムーズにつなぐことができるのが家族信託の魅力です。

魅力とメリット

・親が元気なうちから子供に財産の管理・処分を託すことができます。

・後見制度の代用(本人の判断能力後における財産の管理・処分を託します。

・遺言の代用(委託者死亡後の資産承継先)を自由に指定することができます。

TRUST

 

特徴 事業承継の資金確保

法人の支配権を円満に相続させたいというのが皆さんのご希望です。会社支配をめぐる内紛がおきないよう事前にじっくりと時間をかけ、会社支配権の確保について当事務所にご相談ください。その際、親族の内、一人に会社を継がせる場合は、事業承継の資金確保について方準備をしておく必要があります。相続税、遺留分減殺請求分なで事業承継に伴う資金の準備ですが、現在、非上場株式等の納税猶予、特例融資、保険の活用などがあります。中小企業経営円滑化法や事業承継の資金確保の専門家へのご相談を早目に行ってください。

 

特徴 遺言書と異なる遺産分割協議も一定の要件を満たせばできます。

自筆証書遺言は残されたご家族への最後の思いやりです。このような遺言には、残されることになる配偶者や子どもの遺産分割協議書作成のわずらわしさをなくしてやりたいなどの気持ちが入っていますので、故人の最期の意思表示として尊重すべきことは当然だと思います。しかし、自筆証書遺言書が万能だということでもありません。もし、遺言書の内容に相続人全員がどうしても納得することができない場合は、遺言書に書かれた内容と異なる内容の「遺産分割協議書」を作成することもできます。ただし、自筆証書遺言の存在を相続人全員が認識し、家庭裁判所の検認手続をとっていることが必要となります。また、遺言書のなかで、遺言執行人が指定されている場合は、その方に就職の催告(民法第1008条)した上で、その方を含めて遺産分割協議書を作成することがいいでしょう。

なお、公正証書遺言の原案作成、費用、証人の適格性などにつきまして、お気軽にご相談ください。